2018年4月20日発売「トロッコ茶」。
この冬、縄文杉へ向かうトロッコ道に
新たに設置された木道の、
地杉パーツ作成時のカンナくずから精油を抽出。
その抽出後の地杉チップを原料に、
ブレンド茶を開発!
名付けて「トロッコ茶」!
なんだか突拍子もないような話ですが、
精油メーカーにしかできない、
屋久島ならではの特別なお茶。
「トロッコ茶」のフレーズは
なんとも不思議な魅力がありますよね。
[ 試作の茶葉 ]
果たしてトロッコ茶は
どんなふうにして誕生したのか?
どんな想いが込められているのか?
そのエピソードをここでお伝えします。
[ トロッコ道から始まるストーリー ]
>>カンナチップがやってきた。
そもそものきっかけは、
こちらからのアプローチではなく
ある日、向こうからやってきました。
「トロッコ道の木道パーツを作ってるからカンナくずがあるよ。」
「これも地杉だから精油が採れるんじゃない?」
「心材(中心の部分)だからたくさん採れるかもよ!」
ーと、
精油原料の地杉の仕入れ先である有水製材さんが、
木道を手掛ける中で出るカンナくずを見て、
精油抽出を提案してくださったのでした。
日々のやりとりがあってこその提案だなぁと、しみじみ。
精油の原料提供は本業ではないわけで、
本業の最中に目の前のカンナくずを見て、
やわら香のことを思い出してくれたことが何よりもうれしいです!
そして実際、たくさんの精油が抽出できました!
[ くずだなんて気が引けるので「カンナチップ」!]
>>精油抽出の副産物を活かす社内文化
やわら香では、
水蒸気蒸留法という方法で精油抽出を行っていますが、
蒸留を終えた原料チップを「ブレスチップ」と名付け、
それを活かした商品づくりをしています。
森の恵みである地杉を活かしきりたいという想いがあるからです。
[ ブレスチップを活かした「香り玉」 ]
webショップ http://yawaraca.shop-pro.jp/?pid=128743000
いつもと形状の違うカンナチップ原料。
蒸留後のブレスチップも、
何か今までと違う活かし方があるんじゃないか?
と考えるのは、ごく自然な流れでした。
実は、お茶としての商品はないものの、
お茶としての活用という着想はすでにあって、
しかしそれは、主に地杉の「枝葉」であって、
地杉の「幹」ではありませんでした。
「木片」の形状をした普段の地杉の幹のブレスチップは
お茶のイメージとは程遠いものだからです。
[ いつもの地杉の幹のブレスチップ ]
カンナチップを見たとき、
「この形状はお茶によさそう!」と
すぐにイメージが湧きました。
「トロッコ道に由来するお茶なら “トロッコ茶” だね。」
というスタッフ同士の何気ない会話から、
“トロッコ茶” というフレーズの妙で
名前先行で商品化が現実に引き寄せられていきました。
[ カンナチップからトロッコ茶へ… ]
>>気になるお味は?ブレンドは?
実は開発者であるわたくし店長の妹尾、
以前、ハーブティーの販売に携わっておりました。
普段の生活でもハーブティーのブレンドを楽しむ中で、
自然と身についたブレンディング能力を活かして
試行錯誤、頑張りましたよ!
あれこれと素材を試す中で、
結局 行きついたのは、シンプルに、
「精油抽出の副産物を活かしきる」ということ。
結果として、
原料は100%屋久島産、100%ブレスチップです。
[ ブレンド前の茶葉たちがスタンバイ ]
ブレンドに使ったのはトロッコ道のカンナチップと、
地杉の枝葉、ポンカンの皮、タンカンの皮。
お味は飲んでのお楽しみですが、
苦かったり、渋かったりすることはなく、
ほんのりと香る、やさしい味わい。
5分間しっかり抽出時間をとると
味わいがより深まります。
[ ブレスチップブレンド♪ ]
>>「10時間を味わうお茶」の意味
材料、ネーミング、ノウハウがそろいました。
あとは「想い」の部分です。
私たちがこのお茶を通して
お客様に伝えたいストーリーは何か?
どんな思いを込めたのか?
最後に記しておこうと思います。
[ トロッコ道 ]
「旅の記憶があたたかいうちに
その旅を振り返りながら味わってほしい。」
シンプルなこの想いが大前提にあります。
お土産の本来の役割かもしれませんね。
そして、
お茶の「味」も味わってもらいたいけれど、
お茶をする「時間」をぜひ味わってもらいたい。
一杯で2時間お茶をしたら、5杯で10時間。
ちょうどトレッキングと同じ時間を過ごすことになります。
トレッキングをした10時間を味わい、
お茶をして過ごす10時間を味わう。
だから、「10時間を味わうお茶」。
過去も、今も、未来も大切に味わい、
その違いを味わうのもまたきっと楽しいはず!
[ 縄文杉 ]
>>目的地より、道にこそストーリー。
縄文杉は「目的地」。
そこへ向かう「道」であるトロッコ道。
縄文杉と向き合う時間よりも
圧倒的に長い時間を過ごす道。
長い、長い道のりです。
その道のすべてが、縄文杉のための
ただの通り道でしかないなんてもったいない!
目的地には目的地の役割があり、
そこへ至る道にはストーリーがある。
目的地へ至る道をどう味わうかで
きっと、旅の価値が決まります。
そこにこそ、
その人にしかないストーリーがあるはず。
[ 文字通り「道を味わう」 ]
「目的地より その道にこそストーリー。」
トロッコ道に限らず、
全ての道を歩む人へのメッセージです。
[ 精油づくりの現場 ]
考えてみると、私たちの精油づくりの現場も
トロッコ道と似ているのかもしれません。
目的物である精油は
原料の500分の1~1,000分の1しか採れません。
副産物であるブレスチップの方が圧倒的に多いのです。
トロッコ道を楽しむように、
副産物もであるブレスチップに目を向けて活かす。
私たちがいつも大切にしている想いが
意図せずともそのまま込められていました。
[ 上澄みの部分が精油。 ]
突拍子もないようにも思える「トロッコ茶」。
実は、ずっしりと想いが込められています。
全ての道を歩む人へ。
目的地より、道にこそストーリー。
10時間を味わうお茶。
ぜひじっくりと、味わってみてください。
きっと味わい深いはずですよ。
※合わせて読みたい
トロッコ精油 &トロッコ茶について書いたBlog記事はコチラ↓
[ 縄文杉へと続く香り ]
http://yawaraca.jp/blog/kioku/6193/
[ 未来へ続くトロッコラン! ]
http://yawaraca.jp/blog/yakushima-letter/6350/
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